当サイトで扱うフラグメントレスイオン化(ソフトイオン化)質量分析法の一つであるダイレクトインレットプローブ-イオン付着イオン化質量分析法(DIP-IA/MS法.あるいは,IAMS法とも言う)では,前処理無しでも広範な有機化合物を分子量毎に,網羅的に検出することができます.
このため,初動調査法として一般的なFT-IRとは異なる切り口で含有成分・組成把握のための調査が可能です.分子量毎での検出が可能なために,混合成分の分離検出に適しており,原材料の品質管理,他社製品分析,トラブル調査などでの初動調査・スクリーニング分析に効果的な手法です.
樹脂中の臭素化難燃剤・可塑剤など含有量の簡易判定(RoHS2.0),サンプル間の異同判定(ロット管理、異物調査)
など
例)IEC62321-6,IEC62321-8
有機化合物(低~高沸点)を分子量毎に網羅的に検出.
・同族体化合物(オリゴマー含む),
・末端基違い成分の分離検出 など
例)高分子HALS,難燃剤,潤滑油
混入異物を想定化合物(製品)と対比して異同識別,試料間の含有成分の変化を追跡 など.
分子量毎に分別した発生気体分析
・真空焼結/脱バインダー過程
・真空下でのガス放出量
・ポリマーの熱分解 など
現在,ダイレクトインレットプローブ-イオン付着イオン化質量分析に対応する市販装置は販売されておらず(特注機としては製作可能),気軽に利用できない状態にあります.当ラボでは,これまでの公的研究開発プロジェクトを通じて試作開発した複数のプロトタイプ装置を運用中であるため,その有効利用と技術普及の一助として外部機関にも装置を開放しています.利用に際しては,必要に応じて個別に秘密保持契約などを締結して,外部非公開での研究などにも活用いただけます.