新着情報

GLOSSARY

NEWS

技術用語集|GLOSSARY

カテゴリ

年別アーカイブ

GLOSSARY

2024/01/01

剛性

剛性の意味とは?

剛性(ごうせい)とは、物体に外力(荷重)が加えられたときにどれだけ変形しにくいかを表す力学的な性質です。曲げ、ねじり、引張などの変形に対して、物体がどの程度「元の形を保とうとするか」の指標といえます。
 
剛性が高い物体ほど、同じ力を加えてもたわみにくく、変形が小さくなります。

剛性と弾性率・硬度・強度との違い

弾性率(ヤング率):材料自体の「伸びにくさ」
硬度:表面が傷つきにくい性質
強度:壊れにくさ、破壊に耐える力
剛性:これらを踏まえて「構造全体が変形しにくいか」を表す
 
剛性は、”材料の性質(弾性率)と構造の形状(断面・長さなど)”の両方に依存するため、単なる材質の特性ではなく、設計要素としての意味合いが強い概念です。

剛性の単位と計算方法

剛性の単位は、力を変形量で割った「N/mm(ニュートン毎ミリメートル)」などが用いられます。計算式としては、以下のように表されます。
 
剛性 = 荷重 ÷ 変形量
また、たとえば曲げ剛性は以下の式で表されます。
 
EI(ヤング率×断面二次モーメント)
単位:N·m²

剛性の種類と具体例(引張・曲げ・ねじり)

剛性は、加わる力の種類に応じて分類されます。

  • 引張剛性: 引っ張る力に対する変形のしにくさ
  • 圧縮剛性: 押しつぶす力への抵抗
  • 曲げ剛性 : 曲げる力に対するたわみへの抵抗
  • ねじり剛性: ねじる力に対する角変位への抵抗
  • せん断剛性: 剪断(ずらし)力に対する変形のしにくさ

 
これらはすべて、用途に応じた「構造や部品設計」に影響します。

剛性が重要視される場面と実用例

剛性は、以下のような製品や構造物の設計で重要視されます。

  • 自動車や鉄道車両のシャーシ剛性:操縦安定性・乗り心地に直結
  • 建築物や橋梁の構造剛性:たわみや振動、耐震性能への影響
  • 機械部品・ロボットアーム:高精度動作に必要な反応性
  •  
    過剰な剛性は重くなる原因にもなるため、剛性と軽量化のバランスが設計の鍵になります。

    まとめ:剛性は構造設計のカギ

    「剛性」とは単に「硬い」ことではなく、「構造全体が変形にどれだけ抵抗できるか」という設計上の重要な指標です。
     
    弾性率や構造形状との関係性を含めて総合的に評価され、日常の工業製品から大型構造物に至るまで、あらゆる設計において重要な基準となっています。

PAGETOP