ANALYSIS SERVICE
分析サービス
ELECTRON BACKSCATTER DIFFRACTION
EBSDとは(「電子線後方散乱回折法 (Electron Backscatter Diffraction)」の略称)、走査型電子顕微鏡(SEM)に搭載される分析手法で、試料に電子線を照射し、そこから後方散乱してくる回折電子のパターン(菊池パターン)を解析することで、材料の結晶方位、結晶相、結晶粒径、粒界のタイプ、局所的なひずみなどをミクロンスケールで評価できます。主に金属やセラミックスなどの結晶材料の特性評価に用いられ、材料開発や品質管理に不可欠な技術です。
EBSD分析の原理について、図を用いて解説します。
■ 走査電子顕微鏡(SEM)内で70°傾斜した試料の表面に電子線を照射し、発生した電子線回折パターン(菊池パターン)を検出器に取り込みます。
■ 得られたパターンの幾何学形状から、既知の結晶系情報を基に指数付けし、照射した領域の結晶方位を同定します。
EBSD分析の流れについて解説します。
①事前検討
②分析試料の準備
③分析(菊池パターン取得)
準備した試料をSEM内に70°傾斜した状態で導入し、分析を実施します。
▶SEM本体:日立ハイテク社製SU5000
▶EBSD検出器:EDAX社製Velocity
▶EBSD解析ソフト:TSL社製OIM Analysis 8
④解析(アウトプット出力)
パターン情報から種々のデータを出力
一度、菊池パターンデータを取得してしまえば、PC上のソフト(OIMAnalysis 8)で何度でも再解析、再出力可能。
事例1)方位分布像(IPFマップ)
炭素鋼(S45C)の丸棒の各断面の評価事例
純Ti(TB340)の丸棒の各断面の評価事例
事例2)相分布像(Phaseマップ)
ステンレス鋼(SUS304)の高圧水素環境下低ひずみ速度引張試験※1 後の評価事例
※1 弊社では水素環境中の強度試験に注力しております。
事例3)結晶粒歪分布像(結晶方位差マップ)
インデンテーションプラストメータ試験※2 後の圧痕周囲の変形影響層に関する評価事例
※2 インデンテーションプラストメータとは、高精度な圧痕形状の測定データと有限要素法の逆解析を組み合わせることにより、通常、引張試験で得られる応力-ひずみ曲線を短い工期で取得可能な、Plastometrex社製の卓上試験機です。
TEST SERVICE
研究開発をサポートする、化学分析や物性測定などの分析・計測サービスのご紹介です。